H.K.

MEMBER社員紹介

「“ささいな変化に気づく“ということが、この仕事ではとても大切なことなんです。」

河川巡視支援
国土交通省
河川事務所

H.K.

予想のつかない自然の動きから川の安全を守る仕事。

洪水から地域の皆さんの生命や財産を守るために、堤防や川沿いを管理するのが私の仕事です。堤防に異常がないか、河川法という法律に違反している人や物がないかという視点から、川にまつわるすべてを日々チェックしています。出張所の近くにある渡良瀬遊水地の巡視も行っています。

河川沿いに咲いている植物や近くに生息している動物についても調べます。具体的には、私の管轄エリアには最近イノシシがよく出没するんですけど、彼らが土を掘り起こして堤防を傷つけてしまうことがあるんです。これをそのままにしておくと、台風などの影響で大雨が降った時に堤防が削れて決壊の要因になってしまうことも。川の安全を守るためには、植物や動物の特徴を知ることも大事なのです。

この仕事は自然が相手ですので、いつなにが起こるかわからない難しさがあります。たとえば、ある冬場に護岸ブロックの形がおかしいところを見つけて、毎日いつも以上に注意して見ていたんです。するとある日、洪水でもないのにブロックが陥没していたことがありまして。護岸ブロックは洪水などでかなり強い水圧がかからないと壊れないので、そんなことが起こるのかと驚きましたね。

四季折々で違った顔を見せる自然の変化を知るのが、楽しさであり肝でもある。

私はもともと橋をつくる会社ではたらいていて、そこから河川巡視業務に転職してきたのは正直、興味本位でした。いったいどんな仕事なんだろう、楽しそうだなと思いまして。

実際この仕事についてからは、毎日が新しい発見の連続で、語弊があるかもしれませんが面白いですね。たとえば、堤防の草は同じ場所でも毎年生えるものが違うんです。あと自然の中で仕事をするので、四季折々のさまざまな魅力にもふれられます。

ただ、こうした「ささいな変化に気づく」ということが、この仕事ではとても大切なことなんです。毎日巡視しながら地域の様子をしっかり覚えておくことで、あるとき「昨日と様子が違うぞ?」と、小さな変化に気づけます。この姿勢を常に忘れないことが、河川巡視業務の肝です。

自然は毎日毎年、違った変化を見せるので、そのなかで仕事ができるのはとても楽しいです。一方で、その変化に詳しくなることがこの仕事で最も必要なことだと思います。