T.N.

MEMBER社員紹介

「創意工夫次第でいくらでも幅が広がる仕事ですのでやりがいはありますね。」

河川巡視支援
国土交通省
河川事務所

T.N.

植物や野鳥も巡視対象。
川で目についたすべてを調べる奥深い仕事。

利根川の一部、移動距離も合わせると約76キロのエリアを車で走りながら、異常がないか日々チェックしています。クラック(地割れ)がないか、川の水位や堤防の状態はどうかなど、川沿いの風景を毎日写真のように頭に入れて、次の日にそれと比べながら異常を探していきます。

特に大雨や台風のときは、川と反対側の住宅地にも注意しなければいけません。雨が降ると、川があふれないか気にする方は多いと思いますが、実は川の水は堤防の下を流れて住宅地に届くこともあるんです。これは基盤漏水といって、見落とすと堤防が一気に決壊してしまうことも。だから、常に「絶対に見つける」という強い意識を持つようにしています。そうしないと、いざ目のまえに漏水の跡があっても発見できないものなのです。

また、仕事は川の見回りだけではありません。巡視の対象は目についたものすべて。だから川沿いにどんな植物が生えているか、どんな野鳥がいるかなどもチェックします。実は大利根出張所の管轄エリアに生えている草だけでも、200種類以上。24年間、利根川を見続けてきましたけど、今でも新しく知ることがあります。

利根川は「気づいたら足下まで水が来ていた」というくらい、水位が一気に変わる川。だからこそ向上心と「自分がこの川の堤防を守るんだ」という気持ちを忘れないことが大切ですね。

日々新しい発見に出会えるのが最大の魅力。

創意工夫次第でいくらでも幅が広がる仕事ですので、やりがいはありますね。たとえば、堤防にクラックが入っていた場合、その写真を撮影します。でも、このやり方ひとつとってもいろいろ。真上から取るとただの線にしか見えないから危険性が伝わらない……段差の高さや開き具合がわかるようにするにはどんな角度から撮るのがいいのか……。そうやっていくらでも工夫できるので、向上心がある人にはぴったりだと思います。逆にいえば、ない人には少しきつい仕事かもしれません。

また巡視中はパトロールカーで走っているので、たまに一般の方から「防犯効果もあって助かっています」といったお声をいただくことも。河川とは直接関係ないことですけど、やっぱりうれしいですし、励みになります。

最初は覚えることが多くて、なかなか大変だと思います。たとえば、仕事で押さえておくべき地名などの地理情報がたくさんあるのですが、地元出身の自分でも覚えるのに苦労しました。また川は対岸に行ったり日が変わったりするだけで特徴が変わるので、今でも日々勉強です。